友人

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観念した俺は冬野が知りたがることを総て話した。 狭い部屋の中でポツポツと言葉を落とす。 予知夢ではなくクシャミをすると自分じゃない誰かの未来が見える。 けれどその性能の悪さも。 人が多ければ特定は出来ないし、その未来が“いつ”“どこで”の具体性もない。 ただ先に起こる事を俺が替わりに体験するだけ、だということ。 冬野は真剣に俺の話しを聞いていた。 「…信じられないだろ?」 (どうせ、俺の言ってることは誰も信じない。いつも) けれど冬野は俺の予想とは違い納得したらしい。 「なるほど、そういうことか。」 「なにが?」 「葉月はクシャミをすると未来が見えるから、俺を危険から助けたんだな」 「……信じるのか?」 「事実を目の前に納得するのは当然だろう? 俺は葉月に助けてもらった」 「そう、かもしれないけど…」 「納得できなければ疑う。しかし、事実は事実。 俺は自分の目で見たものしか信じないんだ」 眼鏡の奥の目は、俺を見ていた。 、
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