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それでも冬野は俺の向こうにあると思い込んでる夢物語を俺に聞かせる。
「少ない人数の中でクシャミをして、その中から誰のなのかを特定する練習すればいいんじゃないか?」
「誰か二人を練習台にするために連れてくるわけ?」
「一人でいい。俺もいるんだから」
「何が見えても、結果はいつになるのか分からないのに?
5分先か死ぬ間際の未来かなんて俺には選べないよ」
「それでも、意味はある!」
「…無いよ。
何度でも言うけど、俺は見える未来も人も選べない。
だからもし冬野の寿命が終わる瞬間を見たとしてもその途中のことは何も判らないんだってば!」
それに見えたからと云って、誰かの助けになれはしない。
隣あった人間の今日の晩御飯を予知するだけの時もある。
それが一体、何の役に立つというのか。
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