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だってそうだろう。
ついさっきまで自分が座っていた席は窓ガラスが飛び散り
ボールが床に転がっているのだから。
きっとあのまま座っていたら間違いなく怪我をしていただろう。
「な…ん、だ?」
冬野の腕を掴んでいた手を捕まえる。
「お前、ボールが飛んでくるのわかってたのか?」
問いかけたら葉月は妙な顔で目線をこっちに合わせようとしなかった。
「知ってたよな?
だってお前、俺に「ボールが飛んでくる」って先に言ったんだから」
「…それは、」
「最初から誰かが俺を狙ってるのを知ってたのか?違うよな?
お前は寝てたのに急にそんなことを言ったのは何故だっ!」
掴んだ手の中で骨が軋む。
「い、痛い…っ」
「答えろっ!」
目の前の光景。
我が身に降りかかるはずだった惨状。
回避できた結果。
それらを繋ぎ合せると…
「お前は…葉月は、未来予知が出来るんだな?」
答えを聞くよりも先に、自分でそう結論づけた。
、
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