微熱

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『返事待ってたのに。酷い(>ж<)』  こんな文面を見た瞬間、比喩でも何でもなく頭の奥が揺れたり、立ちくらみがしたりするのだ。そして謝罪と共に体調は治る。  気のせいと偶然が重なっただけだとは思ってるけれど、それでもじわりと『もしかして』は募る。  俺が、四か月も謎の微熱で通院することになったのは、彼女が、俺に会いたいと思っていたからなんじゃないだろうか、とか。  デートの申し込みと同時に体が治ったのも、熱が引かないことには約束が実現されないからじゃないのか、とか。  俺の体調がすこぶるいいのも、彼女と付き合い始めたからじゃないのか、とか。  具合が急に夜くなるのもすぐ治るのも、総て、彼女の気持ち次第じゃないのか、とか…。  今のところ、平和で甘々なカップルだけれど、この先大喧嘩をしたり、ましやて別れるなんてことになったら、俺は大病を患うんじゃなかろうかと、そんな考えが時折脳の奥をよぎる。 微熱…完
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