第1章

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「確かにこのままだとまたいつアレがコッチにやって来るかも分からないし。寧ろ僕にとっちゃその事象に無頓着な人類こそ愚かだと思うけどね」 「全く導意見だが、一応その危機に気づいた連中も中には居るんだ。協力してほしい」  話はそこで止まってしまったようだった。しかしそれも計算ずくの交渉だった。 「ノーデンスはいつこの土地に現れる?これ以上奴らの犠牲は増やしたくはない」 「中国は既に犠牲になったか?」 「フザケテルのか!!貴様ら悪魔が魔界天使による無限結界(むげんけっかい)などに頼ったことが全ての始まりだろう!?ノーデンスはもうあの結界の中から姿を現した。これは人類の、悪魔の、天使にも関係する問題だ!」 「だからどうと言う話だよ。言ってしまえばノーデンスは君達人類の別の進化型だよ。ノーデンスは悪魔を襲わないしね。だから君達の問題だよ」  悪魔教師はそう言って俺に手のひらを返して微笑む。若年寄の老けた笑いが俺の怒りを更に逆立てた。 「貴様らにはもう頼らん!魔界天使は俺達対魔部(たいまぶ)がどうにかする!貴様ら悪魔はのうのうと魔界の魔物でも狩ってれば良い!」 「本当に君達人間がノーデンスに勝てると思っているのかい?彼等は不死身の怪物だよ。だから魔界天使は滅んだ。ノーデンスを倒せなかったから。かの古(いにしえ)よりも遥か昔、まだ天使と悪魔が闘ってた紀元前より前から地球上に存在し、北欧神話のハルマゲドンやラグナロクと言った世界の終焉に必ずといって存在する謎の神だ。まぁ今となっては名前だけが独り歩きの只のオカルトだけど。 寧ろ君はどう思うんだい対魔師君?天使でも悪魔でも倒せなかった存在をどうやって退治する?」
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