第1章

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++++++++ 悠真鶉(ゆまうずら)、それが俺の名前だった。  何の変鉄もない中学二年通ってる学校は()中学  俺のウズラと言う名前が珍しくクラスではトリと呼ばれたりとよくからかわれた。  しかし、俺には唯一の救いがあった。それはクラスメイトの真帆驢馬元(まほろばはじ)である。  見て分かんだろ?名前がハジだ。からかわれないわけがない。  だから俺達は入学からこれまで互いの名前を呪い続けている言わばアン・ネーミングメイトである。  俺と彼女は同じ学年同じクラスにいて中二では俺が読書部で彼女は手芸部。近いようで遠い文化部同士だがわりと関わることが多く俺はうんざりしていた。  理由はこれだ。 「オィ、ウズラ。そこの本一式ヨコセ。ワタシは忙しい」 「その上から目線やめません? それとよくも馴れ馴れしくウズラと呼び捨てますよね。貴女は僕と付き合ってないでしょ?」 「付き合いなど関係ないな。貴様はワタシに侮辱と屈辱の両方を共有させたではないか。一生名前に呪われろこの変名凡人」  そう、彼女は名前でからかわれるのを何故か俺のせいだと言って俺にキレるのだ。それもかなり偉そうに。成績は向こうが上だがそれとこれとは別問題だ。何故俺が怒りの対象にならなければならない。目付きはキツいし愛想もないし唯一胸が中二にしてはある方だがそれだけだ。
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