第1章

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「ホント出てってくれませんか」 「ノーデンスを君は知ってるか?」  中国人のその話題に対して俺は興味を持つのだった。 「ケルト神の別名。あるいはクトゥルフに出てくる神様。最近賑わせてる謎の怪死事件にもそのノーデンスって名前が載ってるけどあなたはソレを調べていたりする人ですか?」  成る程分かった。  俺は本が好きで特に異世界ものやファンタジーが好みだ。  異世界の驚異に立ち向かう主人公に俺は憧れた。  こんな話をすると周りの奴らは中二病だとからかうが気にはしなかった。名前の事よりはスルーできた。中国人は俺の事を無視するかのように話を続ける。 「近年世界各地で報告の上がっている事件がある。事件の内容はこうだ。一部地域で何の前触れもなく人間が死亡する。きかかいなことにその死体からは心臓が抜き取られているらしく愉快犯の可能性も挙がったがさらにきかかいな事が浮上してきた。 死んだ時間帯と心臓が抜き取られた時間帯が離れすぎている。それも、きっかり24時間の合間が開いている。人工透析、人工再生の形跡が在るわけでもない。ただ分かっている事はその死因が心臓消失ではないと言うことだけだ」  一瞬の間が出来たこの事件の件で相手の真意が何かを俺は探っていた。
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