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そんな事を考えていたら気づけば奴が表れていた。
「おはようございます。今日も一日勉強に励みましょう」
何とも気の抜けた朝の挨拶をする悪魔教師がそこにはいた。
悪魔と言うより只のネクラな凡人に近いサンヨンジュウのおっさんである。
角はない。と言うか通常は生やしてないのかもしれない。顔はやや老けがお。若そうに見えるが見た目に老けて見える。
服はちゃんとしたスーツ姿をしてるが髪型はボサボサだしイマイチ清潔観に欠ける。
そんな悪魔教師に今、俺は声を欠ける。
校門前に登校してくる学生達を素通りして気の抜けた朝の挨拶をする奴に近付き第一声。
「よぅ、悪魔」
すると奴はすんなりとこう言って返す。
「よう、対魔師」
一目で分かった。――コイツ、分かってやがる。と……
――硬直。
学生が制服姿で行き交うなか俺と奴だけがその場にたたずんだ。
「やるかっ」
その瞬間俺と奴は拳を交えていた。回りの生徒たちにも見えないような速さで二人は何度も拳をぶつけ合う。
右に、左に、拳を交える旅に風圧がかかる。
余りの速さに残像までもそこかしこに残っては消える。それはもう人類では想像のつかない高みの領域での殴りあいだった。
悪魔教師の体制が崩れた。その隙をついて俺が呪符を投げつけると、呪符は燃え上がり炎の珠となって悪魔教師に襲いかかった。
――対魔法力、メトオレイン
すると悪魔教師はそれを真っ向から迎え撃つ体制で口を開くと今までの人間の顔からおぞましい獣のような顔に変わるとその鋭い牙の見える口から百熱に燃え上がる炎を吐き出した。
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