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「主任……。私ずっと、麗花さんのことを恨んできたんです。私の幸せを奪った人だと……」
主任は黙ったまま私を真っ直ぐに見つめている。
その眼差しを信じて、打ち明ける決心をする。
「だけど、麗花さんだけが悪いわけじゃなかったんです。麗花さんの幸せを奪ったのは、実は…………私。私が幸せの略奪者だったんです……」
「な、なんだって……?どうして、まひろが!?」
そうだよね、いくら主任だって驚くよね。
だって私だって信じられない。
…………信じたくない。
「それだけじゃ意味が解らない。もう少し俺にも理解できるように詳しく話してくれないか?辛い話なのかもしれないけど。俺はちゃんと受け止める覚悟はできてる。だから、全部聞かせて」
そうね、もう何も隠す必要なんてない。
ありのままの私を受け止めてくれる大事な人だから…。
「父と麗花さんは、許嫁だったそうなんです。昔の話ですけど…」
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