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良かった……。
主任はきちんと否定してくれた。
私が今こうして主任と一緒にいることが、私の存在意義。
主任が私を必要としてくれる、そのことに私が存在する意味があるのだ。
「私、生まれてきて良かったんですよね?」
私の手を更にギュッと握りしめて、私を真っ直ぐに見つめながら主任が言った。
「当たり前だろ!お前が無事に生まれて、ご両親はどんなに喜んだ事か。お前はみんなに祝福されて生まれて来たんだよ」
何を私は1人で悩んで落ち込んでいたのだろう……。
主任はいつでも私の話を聞いてくれるし、いつだってありのままの私を受け入れてくれるのに。
あの邦都への出張以来、いろいろと立て続けに考えることが多すぎた。
主任にもう少し上手に甘えられたらいいのに。
「俺の口から全て話してしまうより、ご両親からも話を聞いた方がいいだろうな」
「え、もしかして…母だけでなく父からも?」
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