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「年上だと……」
「はい?」
「補佐が年上の女だと、やりづらくないですか? 仕事」
酒の話題から急に仕事の話に変わると、小宮さんは窺うような不安げな顔を向けた。
そのようなことを考えていたとはつゆ知らず、人とは話をしてみないと分からないものだと実感する。
「いえ。ご経験からか細やかなことに気付いてくださったり、気を配っていただいたりして、本当に助かっています。正直、やりやすいです」
「……そ、そうですか」
彼女はそう言うと、お酒でほんのり色付いた頬に綿でも詰めたかのように含み笑いをした。
そして次の瞬間、注いできたばかりのジョッキを、ものの数秒で空ける。
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