side N

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今日のこの数時間で彼女の特異性は十分に理解できたつもりでいたが、まだまだだった。 この未知の生命体の言動は、とうてい予測できるものではない。 けれども、一番近くで仕事をしている同僚だからこそ無下にもできないし、今日はとことんつきあうほかないと諦める。 「もういいですか?」 「あと10秒」 「…………10、9、8……」 仕方なく、言われるままにカウントする。 「……5、4……」 毛の細い彼女の髪は触れるとフワフワしていて柔らかかった。 両方の手で彼女に触れているこの感じは……あれだ。 ネコとかイヌとかウサギとか、モフモフした動物を愛でているような感覚。
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