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「南条君、誰のものにもならないから好き。もちろん私のことも好きにならないから」
「なんでですか?」
「もしそうなったら、私ごときを好きになるような男だったんだ、って幻滅するもん」
「……」
舌を離し、喉仏から臍までツー……と人差し指で辿った彼女は、試すような上目遣いで微笑む。
「先輩は……、あの行政書士の彼とは順調ですか?」
「やだ、いつの話? その人とは1年以上も前に終わってるし」
「それじゃあ、今は……」
「新しい彼ができてね」
ようやく口付けをしてきた彼女は、いたずらに数回下唇を啄み、それはそれはキレイな顔で言った。
「もうすぐ結婚するの。だから、こういうの最後だね」
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