side N

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「羽島、俺の大事な大事な部下をやったんだから、女の子の1人や2人、紹介しろ」 「無理です。堤課長」 4月。 堤課長が率いる営業一課から、羽島課長が率いる営業2課へ異動になり、堤課長の計らいで3人で飲む席が設けられた。 堤課長お気に入りの、焼き鳥が美味しい居酒屋。 2時間近く飲んでいるからか、堤課長はけっこうな酔い加減だ。 「そういや、南条。お前、彼女いたっけ?」 仕事の話も尽きて、プライベートな話を掘り下げ出す堤課長。 いつも彼の話を一方的に聞かされていたので、こういう話をするのは初めてだ。 「いませんが」 「は? お前なら切れ目ないはずだろ。てか、周りがほっとかねーだろ?」 「断っています」 「なんで?」
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