side N

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「おい、古賀。テーブルから2人、いつの間にか消えてるんだけど」 「あぁ、小宮さんと杉中さんなら、さっき男の人達に声かけられて、あっちのテーブルに移動していきましたよ」 羽島課長と古賀さんが体をひねりながら見る方向は、俺からはもともと視界に入る方向だった。 杉中さんも小宮さんも、上機嫌でお酒を飲んでいる。 「…………大丈夫なのか? 杉中さんはともかく」 「羽島課長、気にしすぎっすよ。あれ、プチ婚活ですよ。会社で出会いなんてなさそうだし、こういう時くらい、そっとしてあげたほうが」 「いや、それは別にいいんだけど、小宮さん……」 「……」 …………揺れている。 左右にぐらんぐらん揺れている。
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