side N

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「あんなにぐでんぐでんになって、万が一あちらさんのテーブル汚したりしたら、梅原の顔に泥を塗ることになるだろ」 「……」 課長は、正義感も強いし、思いやりもあって面倒見もいい。 若くして課長になるべくしてなったことが頷ける。 「課長、なんで俺じゃなくて南条さんと行くんすか?」 「そりゃ、南条の方が迫力あるし、ついでにうちの社の宣伝効果にもなるだろ」 「ひでー!」 俺は、羽島課長とともに小宮さんのもとへと向かった。 途中、他のテーブルの女性に「一緒にどうですか~?」と声をかけられたが、丁重にお断りしながら。 ……にしても、小宮さんは酔うと記憶を失くすと自覚しておきながら、なぜまた飲むのだろうか。
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