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というか、南条さんのほうからこういうことを言ってくれるなんて、社交辞令だったとしても、かなり貴重なことだ。
緊張するけれど古賀さんも一緒だし、美味しいものを食べられるのも南条さんの食事姿を見られるのも贅沢この上ないありがたい話だ。
「ありがとうございました!」
それから、私は3回くらいお礼を言って南条さんの車を見送った。
車のライトが見えなくなってからも、しばらくそこに佇み、動悸を落ち着かせる。
頭と肩の触れられた部分を確実に覚えている私は、自分の手でそこに触れ、
「……ほぅ」
と、ため息をついた。
罪作りな人っているんだなぁ……と、そう思いながら。
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