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「ねぇ、あーちゃん」
「なにー?」
「特定の異性が夢に頻繁に出てくるって……これいかに?」
「末期でしょ。ていうか、お姉ちゃん、なにやってんの?」
「全力ラジオ体操」
11月も下旬に差しかかった日曜日の夜。
あーちゃんとテレビを見ながらダイエットに励む。
「どんな男の人なの?」
「王子」
ベッドに寄りかかっていたあーちゃんは、頭をだらんとしながら私をしらけた目で一瞥し、
「お姉ちゃん、いまだに王子とか言ってるからいい人見つからないんじゃない?」
と言った。
「失礼ね、一応会社の人よ。手が届かないっていう意味では王子同然だけど。ただ、夢があまりにもいい夢なもんだから」
「どんな夢?」
「ナデナデされる夢」
「…………はいはい。ご愁傷様」
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