3047人が本棚に入れています
本棚に追加
商品を選び終えてレジに並ぶ。
並ぶと言っても、すぐに目の前の客は払い終えて去っていったが。
「お待たせしまし…………た」
いつぞやの若い男店員が、俺に気付いて表情を変えた。
あいにくレジにはたまたま彼ひとりだった。
金額を言われ、財布を開いていると、ふいに、
「彼女さんですか?」
と横の小宮さんへ視線を移して聞かれる。
「いえ」
短く返すと、
「そうですか」
と、レジの彼はあからさまにホッとした顔をした。
「…………」
俺は千円札を出しながら、そんな安堵をされても困ると思ったが、ここで念押しするかのように断るのも変な気がして、そのまま何も言わずに外へ出た。
最初のコメントを投稿しよう!