side N

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「いてっ! ていうかくすぐったいだろ、離れろ古賀」 「行くっていうまで離さなーい」 「うざっ」 課長と古賀さんのじゃれあいを傍観していると、小宮さんが、 「私も行きまする!」 と挙手する……が、 「る?」 と言って大いによろけたのを見て、近くにいた俺は咄嗟に手を出して支える。 「ありゃ?」 後方で男二人のギャーギャー言っている声が響く中、 「南条さんら」 と言って、こちらを向いてにっこりと満面の笑みを浮かべる小宮さん。 「…………」 彼女の腕を握ったまま、俺は言葉を失った。 久しぶりに間近で見た小宮さんの笑い顔は、店の照明に照らされているからか、とてつもなくキラキラして見えた。
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