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「南条さん、南条さん」
背後から呼ばれた声に思わず歩みをゆるめた。
もしかしたら、さっきからずっと呼ばれていたのかもしれないと思いながら。
振り返ると、小宮さんが、
「見てください、あれ。あのイルミネーション。キレイですね~」
と、ふくふくした顔で言ってきた。
早歩きさせたからか、頬は一層赤らんでいて息もわずかに弾んでいる。
「…………」
指差されたほうを見ると、奥まったところにある雑貨屋兼カフェバーの外装と、その店の前にある数本の木に色とりどりのライト装飾が施されてあり、その華やかさで街を歩く人々の足を止めさせていた。
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