side N

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「今日はお付き合いいただいてありがとうございました」 「あ、はい。こちらこそ、急に割り込んでしまってすみませんでした。1人分余計にお支払いさせることになってしまって申し訳ないです」 「いえ、小宮さんも楽しそうでしたし、かまいません」 店から出て、その軒先で三浦さんと話す。 小宮さんは一度外に出てから、トイレに行くと言ってまた店内に戻ったため、今三浦さんとふたりだけだ。 短い髪が清潔感を際立たせている彼女は、サバサバしていて、入社して間もないというのに仕事の覚えも早いように思える。 ただ、一点気になっているのが……。 「あ」 偶然にもちょうど目に入った、反対側の歩道を女性と歩いている……。 「……課長ですね」 「……ホントですね」 羽島課長に対する、少々違和感のある態度だけ。
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