side K

2/38
前へ
/38ページ
次へ
「おねーちゃん。平日に飲み過ぎるのやめた方がいいよ」 「うん。そう思う」 目玉焼きとベーコンを乗せたトーストの皿を、2人分テーブルに並べて腰を下ろすと、「ありがと」と言うあーちゃん。 あーちゃんは私が二日酔いだとわかっていて、朝食作りを代わってくれる気はないのだろうかと、重い頭の姉は思う。 「昨夜ドアの音で起こしちゃった?」 正直記憶はないものの、とりあえず聞いてみると、 「ううん、爆睡してた。でも顔がむくんでる。飲んだ日の次の日の顔してる」 と、容赦ない妹君。 「……さようですか」 「って、なんでニヤついてんの?」 私をまじまじと見て怪訝な顔をしたあーちゃんは、口に運びかけたトーストを皿に戻す。 「え? そう? 夢見がよかったからじゃない?」 「また夢? 例の王子の?」
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3017人が本棚に入れています
本棚に追加