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「すみません、なんか……」
「いえ、こちらこそ」
微妙な空気。弾まない会話。
せっかくの美味しい料理も味気なくさせてしまう。
無理だ、やっぱり無理だ。
もう、こうなったら……。
「南条さん、あの、お酒飲みませんか？」
失態を全部お酒のせいにできるように、こうするほかない。
「なんでですか？」
「え……？」
いつもなら自らすすめてくれる南条さんに聞き返されたことに面食らい、ちょっとだけ怯む。
二つ返事で「どうぞ」って言ってくれると思っていた。
「ええと……」
なんでって……。
うぅ、正直に言うしかないのか。
「私……あの……なんだかうまく話せなくて、あの、き、緊張するっていうか」
「怖いということですか？」
鉄仮面に表情はない。
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