side K

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「……」 ほら、やっぱり無理だったんだ、1対1とか。 南条さんも絶対後悔してる。 今からでも三浦さんとチェンジさせたいって絶対思ってる。 「本人が嫌がる以上は、セクハラでしたね」 抑揚のない声が前から聞こえ、その言葉でハッと顔を上げた私は、南条さんがずっとハンカチを差し出したままだったことに気付いた。 「あ……」 手を引っ込め、ハンカチをポケットに戻した南条さん。 その口元が見間違いかと思うレベルで、ほんの微かに笑みをこぼした気がした。 そこに僅かな苦さを感じたのも、私の気のせいかもしれない。 ちょうどピアノの音楽が一曲終わって静かになったときだった。 南条さんがキレイな姿勢で、壁にかけられた絵画を見ながら言った。 「やはり飲みましょうか。私もいただきますので」
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