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そうか、堤課長、南条さんとサラさんの話をするんだ、今から。
南条さんの彼女の話を……。
「では、お疲れ様でした! メリークリスマスイブ!」
パッと堤課長と位置を交代し、ふたりに振り向いた私は、努めて軽快な声を出す。
「おう、お疲れ、小宮さん。ケーキ奢らなくてよかった?」
「いえ、そういえば妹とふたりでパーティーしようって前もって約束してたので、もう買ってきてると思います」
「いいね。そういうイブもありだね」
「ありです!」
堤課長が笑う奥、南条さんと目が合った。
ずっと後ろ向きだったから見えなかった南条さんの顔。
やっぱり鉄仮面で、パーフェクトなポーカーフェイス。
「お疲れ様です!」
もう何度目かよ、お疲れ様って言うの。
そう自分でツッコみながら、笑顔でロッカールームへと向かう私。
頬を無理やり持ち上げたから、ロッカールームに入ってからも、しばらく笑った表情がお面みたいに顔に貼り付いて取れなかった。
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