side K

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帰ると、実家から白菜が届いていた。 多分昼間に届いて、あーちゃんがダンボールの上の部分を開けたまま、玄関に放置していたのだろう。 「また、こんなにたくさん……」 重いそのダンボールをキッチンに運んだ私は、ようやくソファーに座って一息つく。 テーブルの上のコンビニ袋から全部中身を取り出してテレビをつけると、ここでもサンタコスのアイドルが歌を歌っていた。 「ご飯作るのめんどいし、あんまりお腹すいてないし、ケーキとアイスだけでいいかなー、たまには」 私以外誰もいない部屋に、独り言が空しく響く。 あーちゃんは彼氏がいるから、今日はお泊りだ。 “妹とふたりでパーティー予定”なんてハナからない。
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