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南条さんが私の目を見る。
男にしておくにはもったいないくらいの艶っぽい目で、形のいい唇を開く。
「外れた」
「おねーーーーーーちゃんってば!!」
バフッ!! と顔面に何かがぶつかり、本気で、あぁ、地球終わった、と思った。
爆発だと勘違いして飛び上がって起きた私から落ちたのは、オレンジ色のクッション。
眩しい光にしこたま瞬きをした私の目の前に広がるのは、見慣れ過ぎた我が部屋と、見慣れ過ぎた怒った顔の我が妹、あーちゃん。
「おねーちゃん、もうお酒禁止! 服脱ぎ散らかってるし、冷蔵庫半開きだったし。それに遅刻しちゃうよ!」
「えっ! あっ、ホントだ! ヤバいっ」
ベッドから出た途端、転んだ。
昨日着ていた、お気に入りのスカートを踏んで。
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