side K

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朝、ろくに話せないままだった南条さんの姿を発見した私は、ガッチーンと、まるで型を取られているかのように身動きが取れなくなる。 「……」 こちらのデスクの島に向かってくる鉄仮面の君、南条公。 その麗しいスーツ姿よ。乱れのない髪よ。 お……お礼。 お礼だ。 社会人として、いち大人として、とりあえずお礼をして、それで謝罪をして……。 「三浦さん」 「はい」 ドキーーッとした。 南条さんに声をかけられたのは隣の三浦さんなのに、私のほうが背筋がシャキッとなってしまった。 今ので確実に、HP50パーセントはもっていかれただろう。 ふたりは、三浦さんが作成した資料の話や昨夜の会食の件について話している。
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