side K-2

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ふたりともたたずんで向かい合ったまま、何も言わない。 何も言えない。 なにか、なにか……。 あ……。 「そ、そういえば、南条さんの中1のときの初恋って、たしか学校の先生でしたよね?」 思い出したことを思い出したままに口に出した私の言葉は、静かな廊下に空しく響き、また沈黙を呼ぶ。 「……」 ……しまった。 妙な空気の濃度を上げてしまった。 けれども意外だったのは、南条さんの顔。 あまり表情に出さない南条さんが、驚きで固まっている。 「覚えているんですか?」 「はい。ていうか、やっぱり」 やっぱり話したことがあったんだ。 でも、いつどこで話したんだろう。 だいぶ前かな?  うーん……思い出せない。
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