side K-2

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「大丈夫ですか?」 新聞紙に包まれた白菜を手に取って真ん前まで来た南条さんは、もう片方の手を私にスッと差し伸べた。 「……」 は……白菜王子……。 でも、やっぱり…………似合わない……。 見上げてそう思った私は、3回ほど瞬きをした後、ハッと我に返って彼の手を取る。 「すみませんっ、ホントに」 こんなアホ庶民なんかに情をおかけくださって……。 「……」 ……ん? 「……」 「……」 …………あれ? まただ。 ちゃんと立ち上がれたのにもかかわらず、また、手を繋がれたまま離されない。 「あ、ありがとう……ございました。」 俯いてお礼を言いながら、懸命にこの状況を客観視する。 深夜の独身女性宅に進入した独身男性、および、つながれた手と手。
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