side K-2

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……ん? あれ?  ウソ。 表情こそ鉄仮面なのに、彼女の話題になった途端、南条さんの耳が……ちょっと、赤くなった? 「……か、彼女のこと、好きなんですね」 うまく笑えただろうか。 背の高い南条さんを下から覗き込みながら、私は聞きたくもないことを聞いている。 「……まぁ」 「すごく?」 「かなり」 「…………」 あーーーーー………………そう。 ごちそうさま。 途端に私の眼前に透明な幕が下りてきた。 多分今、私の目は死んでいるだろう。 「小宮さ……」 「ア……ハハハハ、いいですね~。うん、いい! いいな~、恋人。でも実は私もですね、やっぱり辻森さんの誘いに乗って、ふたりで食事に行っちゃおうかなーなんて思ってて。取引先の人とそういうのは、って南条さんおっしゃいましたけど、南条さんもほら、ねぇ? 純愛を夢見るような歳でもないから、ほら、数打ちゃ当たる精神で私もどんどん動かなきゃ」
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