side K-2

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い……いくらなんでもわかる。 だてに妄想してきていない。 この状況は……あれだ。あれ。 「し、下心とか、まさか、あの、私なんかに持ち合わせていらっしゃるんですか?」 最終手段、おちゃらけの術を使って無理やり笑顔を作る私。 それでも南条さんは動じず、 「ないとでも思いますか?」 と答えた。 ま、待って。反則だ。 酔っているにしても、こんな……こんな……。 「……」 …………彼女、いるのに、手近な女を、つまみぐい、みたいな、こんな状況…………。 「…………」 サラさんの姿が頭に鮮明に映ったとき、私の唇に柔らかさが掠めた。 ……かと思うと、角度をずらして押し当てられ、これがキスなのだということを私の脳に伝える。 冷蔵庫にコツンと頭がつけば、この一瞬を切り取ったような静寂がふたりを包んだ。
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