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拒否したから怒ってる?
それとも、物わかりが悪いって呆れてる?
どちらにせよ、こんな南条さんは見たことがない。
でも、私はそんなことができる女じゃないし、そんなことができる女だと思われたくもない。
すごく好きだけど、好きだからこそそんなの嫌だ。
「ご、ごめんなさい。無理です。そういう関係は」
「……知っています」
え?
考える余地すら与えられず、再度唇を合わせられ、頭の後ろがまた冷蔵庫にぶつかる。
逃げられないように、南条さんの腕が顔の両脇を塞ぎ、その片方はもうずっと握られたままの私の手も道連れに。
白菜なんてものは、とうの昔に床に転がっていた。
「いっ……嫌です!」
かろうじて唇を剥がし、左手で南条さんの胸を力いっぱい突っぱねる。
それでも力が及ばず、今度は彼の胸を拳で打ち付けた。
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