side N

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「え? 南条さん?」 時峰さんの声に顔を上げようとするが、顔面をテーブルに打ち付けてしまう寸前で、かろうじて片手で支える。 ガタン、と結構な音が立ってしまった。 「……」 なんだ? 酔いが……回ったか?  いくら飲んでも、こんなふうになることなどなかったのに。 隣で盛り上がっていた堤課長も俺の異変に気付き、肩に手を添える。 「あ? 南条、お前」 その手を、今度は俺の首元へと押し当てる堤課長。 「熱あるだろ、これ。なんで酒なんか飲んでんだよ」 「…………」 悪態のひとつでも返そうと思ったが、気力がなくて俺は何も言えなかった。 そして、課長が呼んでくれたタクシーに乗り、店を後にした。        
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