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……なんで?
なんで、南条さんはあんなことしたんだろう。
本意はどこにあるんだろう……。
「小宮さん?」
心臓を口から川に落としたかと思った。
橋から川をずっと見下ろしていた私は、驚き過ぎてちょっと泣きそうになった顔をゆっくりと声の主に向ける。
「あぁ、やっぱり小宮さん。ちょっとスマートになられたから、合ってるかドキドキでした。こんばんは。ていうか、あけましておめでとうございます」
バラが咲いたような笑顔を向けるのは、サラさん。
私はまたもや心臓が跳ね、今の今まで南条さんのことを考えてしまっていたことを心の中で彼女に謝罪する。
や、やましいことはなにも……。
「……」
いや……、やましいです。
けっこうやましかったようです。
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