side K

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そうだ、あのコンビニで買ったんだ。 南条さんにわがままを言ってふたりで入った、例の男の子が店員の……あのコンビニ。 ……あぁ、そうか。 だから、イブの日にケーキを買ったとき、あの男の子のことを覚えてたんだ……。 「よかったですね」 三浦さんが横からかけてくる声で、私はふっと現実に引き戻される。 “よかった”……? 純粋な思いやりなのか、思い出せと暗に示されているのか……。 いつもの白南条王子と『悩めばいい』発言の黒南条王子が、脳内で陣取り合戦をしている。 でも、いずれにしろ王子は王子。 こんなことをされてときめくななんて、無理な話もいいところなのだ。 それに…………。 「……」 ……私が好きだと言ったものを覚えていてくれていたことが、やっぱり嬉しいと思ってしまうんだ。 私はカロリーメイトを手に、 「罪作り王子だわ……」 と、遠い目をしながらぽつりとこぼした。    
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