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途端に盛大にむせる課長。
「なっ――。なんで、おま……」
「俗にいう元サヤというやつですか。成就されてなによりです」
「はっ? 南条、お前どこまで知ってんの?」
「少ししか知りませんよ」
ケホケホしながら若干涙目になっている課長は、
「なんなんだよ、一体」
と、怪訝な顔を向けた。
ここ数日の課長と三浦さんの様子とため息の激減を見れば、嫌でもわかる話だった。
「つーか、南条、聞きたかったんだけど、お前が好きなのって」
「三浦さんじゃないことは確かですね」
「はあっ!? お前もっと早く言えよ、そういうことは」
「聞かれなかったもので」
課長は、長い長いため息を吐いた後、
「まぁ……、もういいや。別に」
とこぼした。
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