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「なんだよ、お前、仏頂面に輪がかかってるぞ。ホントに体調戻ってんのか?」
「……大丈夫です」
悩みなんてまるでなさそうな笑顔の堤課長。
2週間も前のことを持ち出して、俺の首に腕を巻きつけてくる。
「小宮さんも元気? あれ? 痩せた? 白い? なんか可愛くなってない?」
「ありがとうございます。堤課長は焼けましたか?」
「わかる? 実家が雪国でね、雪焼け雪焼け」
早く解放してもらえないだろうか。
もう昼休憩は終わるというのに、この人は帰省先の土産話を披露する勢いだ。
「あ! そういえば、小宮さん、ごめん。俺、ウソ教えたわ、イブん時」
「はい?」
「コイツ、サラとつきあってるわけじゃないんだって」
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