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冷ややかに彼を見下ろした。
上司と言えども、人のプライバシーに立ち入る権利はない。
「うお? ……おう、わかったよ。悪かったって」
堤課長は両手の平を見せて、一歩後ずさる。
そして、そそくさとこの場を去ろうとした。
……けれども。
「……って、あ! そうだった、小宮さん。ツジ……辻森って知ってるだろ? アイツが小宮さんと連絡取りたいみたいで、はいこれ。名刺の裏にプライベートの連絡先書いてあるから、暇な時にでも。てか、こんな古臭いことさせんなよって話だけどな」
すぐに思い出したらしくて踵を返した堤課長が、少し俯いていた小宮さんに歩み寄ってポケットから出した名刺を差し出す。
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