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…………は?
「小宮さんっ」
慌てた俺は、咄嗟に差し伸べた腕で彼女の体を受け止める。
ガクンと俺側に仰向けに倒れたことでようやく見られたその顔は、明らかに血の気が失せていた。
そしてその目は閉じられている。
「小宮さんっ!」
3度目の呼びかけで、彼女はようやく目を薄く開いた。
「すみませ……。だ……いじょうぶです。ちょっと……横になれば、治るかと……」
色味のない唇からか細い声が絶え絶えに出されると、また彼女は目を閉じた。
俺はすぐさま彼女を抱き上げ、とりあえず横になれそうな大きめのソファーが置いてある休憩室へと足を向ける。
「え? あれ? 南条さん、どうし……。て、ええっ? 小宮さん!? 大丈夫っすか?」
ちょうどその時、古賀さんが通りかかった。
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