side K

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『それは魔女に呪いをかけられてるからでしょ?』 そうだ、私は“呪い”という言葉を使った。 『呪いを解く方法とか』 南条さんが年末に私に言った言葉。 ……確かにしたんだ、この話。夢じゃない証拠だ。 「……」 『私、南条さんの想い人、知ってるわ』 頭の中、今度はサラさんが登場して口を開く。 これは……そうだ。 この前、サラさんと話した時のこと。 なにか……ずっと引っかかっていた。 その言葉の違和感に、妙に胸が苦しくなったことを思い返す。 『南条さんね、その人に呪われてるんだって』 「…………」 …………それって……。 「南条実篤、って言いました?」 驚き過ぎてビクリと肩が上がった。 目の前のあーちゃんも何度も瞬きをし、私の視界の片隅に映るベージュのパンプスの主を見上げている。
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