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「なんかさ、これ運命っぽくない? 私達ってばキューピット? もう映画化決定じゃない?」
「……うん」
「そのメモ紙、月曜日に絶対南条実篤に渡さなきゃね」
「…………うん」
電車を降りて本屋であーちゃんの買い物を済ませた後、横断歩道を渡りながら、私はコートのポケットの中の小さなメモ紙を指で確認していた。
さっき、ファソラで偶然会った南条さんの元カノさんに、「彼とどうしても話がしたいので、これを渡してください」と、連絡先を書いた紙を渡されたのだ。
「やっぱ、あれだけの人が出てくると、憧れだけで盛り上がってた私とかお姉ちゃんなんて、ホント蚊帳の外なんだって思い知らされるよね。嫉妬する気も起こらないわ。なんかほら、あれと似てる。好きな俳優が結婚すんのも、美人女優さんなら諦めがつくけど、一般女性なら無性に腹が立つっていうか。それなら私でも良かったんじゃない? っていう」
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