side K

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「……」 ここまで運んできてくれたんだろうか。 恥ずかしいし申し訳なさすぎる。 でも、ちょっとだけでも体重落ちてる時でよかった。 …………いや、よくない。 それでも、迷惑をかけたことには変わりない。 「す……すみません」 と寝たまま南条さんに謝ると、 「いえ」 と、折りたたみ椅子に座りながら答える南条さん。 「大丈夫ですか?」 「大丈夫です。あの…………多分貧血だと思います」 「貧血?」 「えと……、かなり遅れてきて……重くて……」 「……?」 「って、すみません。……いらない説明をしてしまいました」 表情を変えない南条さんに焦ってしまい、バカ正直に恥をさらす。 もう2回目だ。学習しろ、私。 そう頭でツッコみながら、私は毛布で顔を半分隠す。
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