side K-2

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な……なにを言っているんだ、私は。 「ハハハハ……」と乾いた声が先細りになって消えていく。 南条さんにもらったものだから、捨てられずにずっと引き出しの中に入れたままにしていた。 多分今日はぼーっとしてたから、不手際で紛れさせてしまっていたんだ。 どんだけだよ、私。 社会人として完全にアウトだ。 「……」 それに、こんなの取ってるなんて気持ち悪いし、好きだって言ってるようなもんじゃないか。 あぁ……自分で穴を掘ってでも消えてしまいたい。 まるでゲージが埋まるかのように、カーッと熱さと赤さが顔に溜まっていく。 「……三浦さん」 「はい」 「申し訳ないですが、席を外していただけますか? 第3者が聞いて、あまり聞き心地のいいものではないと思うので」
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