side K-2

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「え? …………あ、はい。わかりました。失礼します」 三浦さんは、驚きの表情の後でほんの少し頬を赤らめて、資料室から出て行った。 ちなみに、ドアまでしっかり閉めて行ってしまわれた。 「…………」 ちょ……。 カロリーメイトの空き箱を死守するべく南条さんに駆け寄ったため、私は彼の斜め前で固まり中。 え。待って。 ちょっとこの事案、一晩家に持ち帰らせていただけないかな。 「……ゴミですよ、それ」 ふたりきりになって初めて南条さんの声が斜め上から降ってきて、肩を上げる。 私は床の一点をひたすら見つめて、 「や、あの……、南条さんがご厚意でくださったものなので……」 と、正解のわからない言い訳を探しながら話す。
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