side K-2

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「罪悪感と下心しかないです、そんなの」 「え……と……」 ど、どう、どう、どう解釈していいんだ? 「優しさで渡したわけじゃない。それでも取っておくのですか? それ」 「………………は、……はい。うれ、嬉しかった……し、わ、忘れたく……ないので」 ヤバイ。 本音を語ると目と鼻の奥がジワジワしてくる。 優しさじゃないなら、私に思い出させようとして意図的に渡したってことだろうか。 黒南条王子が発動したということだろうか。 いまだに床の一点見つめに徹している私は、南条さんの今の顔を確認する余裕がない。 視界に入る彼の足元は、1ミリも動かない。 「……留守電」 「……っ」 「聞きました」
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