side K-2

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「……」 会った。 会ったんだ…………。 「なぜ小宮さんが現在の彼女のことを知っていたのか知りませんが」 「会っちゃったんですね」 ボロボロボロッと、意図せず一気に涙が溢れた。 「そっか。よかったですね。よかっ…………ぐ」 唇が可愛くもないアヒル口みたいになって震える。 それを気合いで止めてぎゅっと口を結ぶが、涙だけは止まらなかった。 「……小宮さん」 「だっ、大丈夫です。こんなちょっとしょっぱい水、汗と一緒です」 腕でバッテンを作って、顔を覆う。 ただでさえ腫れてる目が、いっそう不細工になってしまう。 こんな顔見せられない。それに、どんな顔をしてハッピーエンド話を聞けばいいのかわからない。
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