side K-2

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「羽島課長。お帰りなさいませ。電話でも言いましたが、本当にほんっとーにご迷惑をおかけしてすみませんでした。もうピンピンしておりますので、なにかできることがありましたら、なんなりとお申し付けください」 夕方、真壁ホームから戻ってきた羽島課長に、私はデスクから見えなくなるほど深々とお辞儀をして奉仕を誓う。 裏の顔は女の敵の手練れ羽島でも、会社では頼りになる上司に変わりない。 今日は本当にお詫びをしたかった。 「……」 嘘です。 自分の仕事は全て終わり、なにかしていないとフロアの床を転がりまくって絶叫してしまいそうだった。 「小宮さん、本当に大丈夫? なんか顔、ひきつっ……、いや、なんでもないです」
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