side K-2

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気付けば頬と顎にあった手がゆっくり下りて背中に回されていて、包み込まれている最中だった。 南条さんは何も答えずに、その腕の力をじわじわと強くしていく。 南条さん側にスローモーションで寄せられる私は、その胸に顔をうずめながら、 「私のこと……す、好きなんですか?」 と、こみ上げてくる涙と気持ちを押さえきれずに再度尋ねる。 私の頭の横に自分の頭を寄せてコツリとしてきた南条さんが、まるで深いため息をつくように、 「……かなり」 と言った。 資料室の蛍光灯が作る私達の重なる影が、またぎゅっと小さくなる。 「このまま好きでいても、いいですか?」
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